日本非抜歯矯正研究会会則
第1章 総則
【名称】
本会は、『日本非抜歯矯正研究会』、英語名『Japanese Academy of Non-Extraction Orthodontics (JANO)』と称する。
【事務所】
本会は主たる事務局を有本矯正歯科〒640-8341和歌山市黒田1丁目2-20 におく。
【目的】
本会はMolar Oriented Orthodonticsに基づく『非抜歯矯正治療』の研究と発展、普及と啓蒙、これらの活動を通じた会員相互の研鑽と情報交換を目的とする。
第2章 会員
【資格】
本会の趣旨に賛同し、本会の義務を果たせるもの。
会員になるためには次のいずれかの条件を満たすこと。
次のいずれかの講習を受講・終了
- Dr. グリーンフィールドによるLevel II 以上の講習
- 日本非抜歯矯正研究会主催によるベーシックコース以上の研修会
- 日本非抜歯矯正研究会公認インストラクターによる講習で特に認められたもの
もしくは、年次総会に2回以上参加したもの
【会員種別】
<準会員>
1. 会員資格を持つもの。
<正会員>
1. 正会員認証
- 1.1. 会員資格があって、MOOに基づいて治療し規定のフォーマットに従って整理したグレーディング症例を3症例以上提出し、1症例以上の合格症例を得たもの。
- 1.2. 合格した次年度の総会で正会員認証のプレゼンテーションをすること。
- 1.3. 『日本非抜歯矯正研究会』ウェブサイト(以下、「本サイト」といいます)に正会員認証報告の投稿をすること。
2. 正会員で希望するものは正会員として本サイト上に名前や所属などが掲載される。
<マスター会員>
1. マスター会員認証申請
- 1.1. 正会員歴2年以上のこと。
- 1.2. グレーディング症例合格症例が6症例以上となり、課題症例のカテゴリー4種類以上を達成した時点で保証人1名とともに認証症例を提出し、マスター会員認証申請ができる。
- 1.3. 保証人
- 1.3.1. マスター認証申請のための保証人はマスター会員でなければならない。
- 1.3.2. 保証人は、認証申請をする正会員が、マスター会員の資質を備えており、積極的に活躍してくれる会員であると言うことを保証するものとする。
- 1.4. 認証症例
- 1.4.1 認証症例は課題症例5症例と自由症例1症例とする。課題症例は5種類あるカテゴリーのうち,4種類以上を含まねばならない。
- 1.4.1.1 認証症例のうち少なくとも2症例は保定2年以上の資料を含まねばならない
- 1.4.1.2 認証症例のうち少なくとも2症例は最近3年以内に動的処置を終了した症例を含まねばならない
- 1.4.1 認証症例は課題症例5症例と自由症例1症例とする。課題症例は5種類あるカテゴリーのうち,4種類以上を含まねばならない。
2. マスター会員認証審査
- 2.1. マスター会員認証審査は総会で行う。
- 2.2. マスター会員認証審査の申請は、審査をする総会の前年に、保証人1名とともにマスター会員認証委員会に申請する。
- 2.3. 認証症例の審査は以下の項目からなる。
- 2.3.1. 認証症例のケースプレゼンテーション
- 2.3.2. 認証症例に関する症例審査委員の口頭試問
- 2.3.3. 認証症例をもとにした講演
3. マスター会員の認証
- 3.1. マスター会員認証審査を受けたのち、マスター会員認証委員会で正式に承認される。
- 3.2. マスター会員認証審査の総会でマスター会員認証プレゼンテーションをすること。
- 3.3. 本サイトにマスター会員認証報告の投稿をすること。
4. マスター会員で希望するものはマスター会員として本サイト上に名前や所属などが掲載される。
<シニア会員>
1. 正会員・マスター会員のうち65歳以上で希望するものは、シニア会員となることができる。
2. シニア会員は、症例展示や5年ごとのプレゼンテーションなどの会員の義務が免除される。
【会員の義務】
会員は、本会の定める会費を納入する義務を負う。
会員は、本会の活動に積極的に参加する義務を負う。
正会員は、総会への毎年の参加と症例展示の義務を負う。
マスター会員は正会員の義務に加え、5年に1度のマスタープレゼンを行う義務を負う。
【資格の喪失】
退会した時。
死亡または失踪宣告を受けた時。
【退会】
会員が次の各項に該当するときは、運営委員会の議決を経て、退会となる。
- 退会を希望し、書面にて事務局に退会届を提出したもの。
- この会の名誉を傷つけ、又はこの会の目的に違反する行為があったとき。
- この会の会員としての義務に違反したとき。
- 会費を継続して2年以上滞納したとき。
退会を承認された者の既納会費、その他の負担金は返還しない。
第3章 事業
【事業】
本会は前項の目的を達成するため、以下の事業を行う。
- 研究会総会の開催
- インターネット上での情報発信・交換
- その他本会の目的を達成するために必要な事業
第4章 症例展示
総会における症例展示は正会員以上の会員の義務である。 症例展示は、グレーディング症例、エグジビジョン症例、マスター会員症例に分類される。
【グレーディング症例】
グレーディング症例は、正会員・マスター会員になるためのグレーディングを受ける症例である。
グレーディング症例は、症例審査委員によってケースグレーディングを受ける。
グレーディング症例は課題症例5カテゴリーと自由症例の、計6カテゴリーのどれかに分類して提出しなければならない。
- 課題症例は以下の5種類で外科矯正の症例・智歯以外の抜歯症例を含まないものとする。
叢生 叢生は片顎の叢生量がEスペースを除いて5ミリ以上のものとする。 II級1類 II級1類は臼歯関係が3ミリ以上II級でオーバージェットが5ミリ以上のものとする。 II級2類もしくは
II級過蓋咬合II級2類は臼歯関係が3ミリ以上II級で上顎前歯が舌側傾斜しており上顎前歯が下顎前歯歯冠の半分以上を覆うもの。もしくは臼歯関係が3ミリ以上II級でオーバーバイトが100%以上のもの。 III級 III級は臼歯関係もしくは犬歯関係が3ミリ以上III級であることとする。 開咬 開咬はオーバーバイトがマイナス2ミリ以下のものとする。 - 自由症例は申請者の実力をよく示していると思われる特徴的な症例とする。(たとえばハイアングル・鋏状咬合・埋伏歯・外科症例・機能不全・智歯以外の抜歯症例など)
グレーディング合格症例は本サイトに掲載される。
【エグジビジョン症例】
エグジビジョン症例はグレーディング症例の要件を満たしていないが、興味深い症例として会員の参考になる症例である。
エグジビジョン症例は本サイトに掲載されない。
【マスター会員症例】
マスター会員による症例である。
提出資料等はグレーディング症例に準ずる。
治療が高いクオリティにて完了しており、保定2年以上の資料が必要である。
マスター会員症例は本サイトに掲載される。
グレーディング症例における合格条件の考え方
グレーディング症例は、MOOに基づいて治療されたものであること。
グレーディング症例は単なる非抜歯矯正治療をグレーディングするものではなくMOOの治療を審査するものである。MEAWテクニックや床矯正などの非抜歯ケース、あるいは単に拡大しただけ、遠心移動しただけと言うケースはグレーディングに値しない。具体的には、臼歯の3次元的整直が、筋肉の再教育とともに行われていること、歯体での遠心移動と歯根の位置づけ、前歯のトルク、アーチフォームなどが特徴的に現れていなければならない。
クオリティの高い仕上がりであること。
通常ならば抜歯となるかもしれないケースを『よくもここまで』なおした、と言う評価は、研究会の会員相互の研鑽にとっては重要である。しかし、このグレーディングで合格したケースが、本サイト上でパブリッシュされ、これが研究会会員外のドクターやパブリックの目に触れるものとなる以上、その仕上がりの状態はどのようなテクニックのドクターが見ても、評価に耐えうるものでなければならない。ややII級が残っているけれどここまでなおしたのだから、とか骨格性のケースをここまでなおしたけどやや妥協が残っている、というようなケースは、日常臨床的には現実的に患者さんも満足し、問題のない場合であってもグレーディング症例としては良い評価を得ることが出来ない。
相応の難度があること。
目安としては、他のテクニックではおそらく小臼歯抜歯ケースと診断されることもあろう症例、ということである。
治療期間が50ヶ月未満であること。ただし初期治療期間は除く。
矯正治療は仕上がりのクオリティが最も大切であり、MOOにおいてもそれは同様で、時間がかかってもきちんと仕上げると言うことは非常に大切なことである。しかしながら、治療期間をいくらかけても良いと言うものでもなく、期間もまたクオリティである、と言うことを忘れてはならない。通常4年以上動的処置にかかっているようなケースは、診断に基づいて計画された期間とは言いがたいため、グレーディングとしては合格することはできず、エグジビション症例として展示されるべきである。
初期治療に続く、仕上げの治療としての期間を申請する場合は、仕上げの治療開始時の資料が必要である。
資料のクオリティーが高く、完全にそろっていること。
1. いくら難しい症例をきれいに仕上げても、資料がそろっていないとプレゼンテーションとしては不合格となる。会員は日頃から資料のクオリティと保管には細心の注意を払うべきである。また、資料の不備があると症例集制作は不可能である。
2. 症例展示のために要求される資料としてはABOに準拠した以下のものがあげられる。
- 2.1. 模型
- 2.2. 顔面写真(正面・側面・スマイル)
- 2.3. 口腔内写真(正面、左右側面、上下顎咬合面)
– 左右側面および上下顎咬合面は臼歯部まできちんと写ったものであること。ミラーを使っていることが望ましい。 - 2.4. パノラマエックス線
- 2.5. 側面頭部エックス線規格写真およびトレース
– 適正な露出で必要なトレース部分が視認できること。
– トレースは実際の側面頭部エックス線規格写真を実寸でなめらかにトレースしたものでなければならない。
第5章 役員
【運営委員】2013/10/29
本会は、会務遂行のための次の運営委員をおく。
- 代表運営委員 1名
- 運営委員 若干名
- 運営委員は、運営委員の推薦により、運営委員会の決議を経て決定する。
- 運営委員代表は、運営委員の推薦により、運営委員会の決議を経て決定する。
- 運営委員は、運営委員代表を補佐し、「日本非抜歯矯正研究会」総会を開催する。
【運営委員会】
会務遂行のための諸事案は運営委員会において審議決定され、総会にて承認を得る。
運営委員会は、運営委員の3分の2の出席をもって成立する。
【運営委員代表の職務】
運営委員代表は、本会を代表して、「日本非抜歯矯正研究会」総会を開催する大会長となる。
運営委員代表は、総会開催に際し、必要な諸務遂行のためにそれぞれの係りを委任することができる。
大会の会計は原則として事務局が行う。
【マスター会員認証委員会】
マスター会員認証委員会は運営委員のうち、症例審査委員以外のメンバーにより構成される。
【症例審査委員】
症例審査委員はマスター会員の中から運営委員会によって委任される。
【公認インストラクター】
公認インストラクターは、MOOについてのセミナーを開催することができる。
公認インストラクターは、マスター会員の中から運営委員会によって委任される。
第6章 会計
本会の経費は会費その他の収入を持ってこれに当てる。
【会費】
本会の入会費は1万円とする。
本会の年会費は1万円とする。
【会計年度】
本会の会計年度は4月1日に始まり3月31日に終わる。
【会計報告】
本会の予算及び決算は定時総会に報告する。
【会計監査】
本会の会計は、運営委員会によって監査される。
第7章 附則
【会則の変更】2014/11
本会の会則を変更する場合は、運営委員会による承認を経て、総会での出席者の2/3以上の賛成を必要とする。
【会員種別の名称】2014/11
会員種別の『コアメンバー』を『マスター会員』とその名称を変更する。
【会員種別と役員の分離】2013/10
従来、コアメンバー・コアメンバー会議が会の運営を行っていたが、実態が伴わなくなってきたため、コアメンバーとは別に、運営委員・運営委員会を設ける。
【施行】
本会則は2005年9月20日より施行する。
本会則は2013年10月29日より施行する。
本会則は2014年11月4日より施行する。
本会則は2017年11月8日より施行する。