非抜歯矯正治療 MOOの実際
非抜歯矯正治療
Molar Oriented Orthodonticsの実際
有本 博英 (著), 篠原 範行 (著), 賀久 浩生 (著)
2011年10月05日 A4変型判 288頁
23,760円(税込)
医歯薬出版
内容紹介
- 1994年の初来日以来、日本に非抜歯矯正の議論を巻き起こしたGreenfieldのCADテクニックをベースにした、MOOテクニックの本格的解説書。
- 非抜歯矯正治療を“臼歯のリポジショニング”というコンテクストの中に位置づけることにより、長期に調和し持続可能性のあるサステイナブルな歯科矯正治療が可能となることを提唱する画期的な一冊。
- 最新のインプラント矯正や歯周再生治療まで包括的に取り込んだ治療システムが提示されているため、矯正専門医のみならずインターディシプリナリー治療を行う一般歯科医にとっても新しいコンセプトによる治療への道しるべとなるでしょう。
推薦の言葉
本書は、非抜歯の矯正治療という特徴的な分野において経験と実績を重 ねた3人の著者の、膨大な症例とその写真を通してまとめられた、診断から治療に至る集大成である。 彼らのMOOという方法は、N.Cetlincの哲学から導きだされたものであり、 患者の協力を要しないテクニックに志向して改善を重ねられた。そのコンセプトの革新性の背後にある概念は、ほとんどの不正咬合でみられる臼歯の近心 舌側傾斜とローテーションを、まずリポジションしていくという発想である。 本書にはこのテーマの最新の情報が、明瞭に、かつ流れるように書かれて おり、とても興味深いものになっている。若いドクターからエキスパートまで ぜひお読みいただきたい。本書が矯正歯科という領域に貢献し、その幅を広 げることは間違いないといえよう。
前ナポリ第二大学歯科矯正学講座教授 イタリア非抜歯矯正学会 会長 Adolfo Ferro
非抜歯による矯正治療について、これほど集中的にその理念(本書では哲学)から臨床にいたるroad mapが、見事にかつ詳細に描かれたものは、珍しい。 抜歯・非抜歯に関わらず、新たな発見が本書の随所に秘められている。非抜歯に関する先達の、N。 Cetlin、R. Greenfield 両師の業績を凌ぐ力量を思わせる、歴史に残る1冊になるはずである。 ゆっくり時間をかけて読むに値する、学ぶことの多い著作である。
昭和大学名誉教授 福原達郎
主な目次
I 治療哲学
- IOOとMOO
- MOOとは
- サステイナブルな治療
II 治療戦略
- One Stage,Two Phase Treatment
- 治療のタイミング
III 治療戦術
- 臼歯のリポジショニング
- 切歯のポジショニング
- Finishingのティップス
IV MOOの臨床
“臼歯のリポジショニング”が 非抜歯矯正の鍵!
MOOアプローチについて
- 成長期の下顎後退を上顎臼歯の遠心移動で治療する
- Case1
- GMDを用いた下顎後退を伴う混合歯列期後期のII級1類
- Case2
- ACCOを用いた下顎後退を伴う混合歯列期後期のII級1類
- MOOを成人II級症例に適応できるか?
- Case3
- 効果的に前歯の圧下を行った成人II級2類 成人症例
- Case4
- 顎関節内障による開口障害を伴うII級2類
- Case5
- ミニプレートを用いて遠心移動を行った成人症例
- 臼歯のリポジショニングが鍵となるハイアングル・開咬症例
- Case6
- ハイプルヘッドギアとMEAを用いて治療した成長期のII級開咬症例
- Case7
- 交差咬合と下顎側方偏位を伴う成人III級開咬症例
- Case8
- TPAとミニスクリューで垂直的コントロールを行った開咬症例
- MOOを適応したIII級症例
- Case9
- 骨格的補正を行った後にMOOを適応したIII級症例
- Case10
- III級治療におけるインサイザーショーイングの重要性
- 8mm以上の叢生症例であっても最初に抜歯と診断しない
- Case11
- 保定5年経過した成人の著しい叢生症例
- Case12
- 短根歯を考慮してドリフト移動とディスキングにより治療した成人III級叢生症例
- Case13
- 臼歯の位置が左右で著しく異なる重度の叢生症例
- その他の症例
- Case14
- 非抜歯で上下顎前突をどこまで改善できるのか?
- Case15
- PAOOとTADを応用したインターディシプリナリー治療
- Case16
- アンチエイジングコンセプトに従って治療した重篤なガミースマイル